
小学4年生になるころには、学ぶ姿勢の良い子、運動が活発な子、進んで何かに取り組む子などはすでにそのことが何度も所見で取り上げられている可能性があります。毎回のように同じことが書かれていては、受け取る方は物足りないと感じるのではないでしょうか。なんとか、子どもにも保護者にも励みになり、成長を促すような通知表の所見にしたいものです。そこで、「こんなことを表現したい。」「こんなよさを伝えたい。」と思った時のヒントになるように文例を集めました。今までに書いたものを中心にまとめましたので、他の子に当てはまるものではないかもしれません。あくまでも参考程度にご覧ください。少しでもみなさんの仕事が効率化され、さらに質の高いものになるようなヒントになれば幸いです。
『所見』の書き方基礎・基本
通知表の中でも、文章で子どもの様子を伝えるものが『所見』です。学校生活全般について書く「総合所見」「一般所見」の他、「総合的な学習の時間」「外国語活動」そして、現在は「道徳」についても、文章での所見を作成することになっています。では、どのように書くとよいのでしょうか。初任者にとっては悩みどころのひとつになると思いますので、基礎・基本まとめました。
① 文字数の目安
そもそも書くことができる文字数によって作戦が変わってきます。ここの文例は190字~230字程度の所見を想定しています。
② 語尾や文末の表現
「ですます」なのか「である」なのか。「進級おめでとうございます。」などを書くのか書かないのか。後から直すのは面倒なので事前に確認しておきましょう。
③ 半角・全角の扱い
特に数字です。1桁は全角がしっくりくることもあります。でも、基本的には半角にすることが多いようです。
④ その他の基本的な表記
基本的な表記については、各自治体によってルールが定められている場合があります。特に漢字で表記するものなのか、ひらがなで表記するものなのかも決まっている場合があります。
あとは、各学校の文化(書きぶりの傾向)がありますのでそこを確かめておく必要があります。押さえておくべき基本を知らずに下書きを進めると、余計な調整が必要になります。また、残念ながらチェックされる方の好みもあります。好みなので、数人書いてみて先にチェックを受けておくといいと思います。
よさや、成長したところを中心に書く

記録として子どもの手元に残るものになりますし、気持ちよく学期末を終えて次への励みにしてほしいものですので、「良いところ」「成長したところ」を中心に書いてあげます。「もっとこうしてほしいのに!」「~ができていないから困る!」と、子どもの課題をどうしても、どうしても書きたい場合は「~なれるともっと良くなるので、~のように関わっていきます」などと、前向きに表現するといいと思います。

ほんと、あの子はもう少し家で見てもらわないと。これくらい書いてやってもバチはあたらないでしょ。あれもできてない!これもできていない!トラブルばーっかり!ひっひっひ。

「できませんでした。」「残念でした。」「困ります。」「なってしまいます。」などは使わない方が良いと思います。課題はあえて書かなくても保護者は分かっていて、むしろそれで悩んでいることも多いです。逆に、保護者が気付いていないような話であれば、通知表よりもっと早い段階で伝えて協力し合えるようにしたいものです。通知表で書かなくてもよいことは書かない。今の時代の「事なかれ主義」とも言われそうですが、思いが伝わらないと意味が無いですよね。
行事のことを書くなら「過程」を書く
運動会ではリレーの選手になりました。学習発表会では○○役となって…と書く人はいないと思いますが、それは保護者も見ていてわかっていることです。休み時間を使って練習したとか、友だちに励ましの声をかけていたとか、取り組む姿勢やその中での成長について書くとより良さが伝わると思います。
一文が長くなり過ぎないように書く
通知表の所見欄の大きさにも関わってきますが、「書き出し」+「生活面」&「学習面」+「まとめ」と、4文くらいになると思います。具体例も入れると効果的ですが、文が長くなり過ぎないように気をつけます。特に、同じ語句を2回も3回も使ったりしていないか気を付けるようにしています。私は徹底的にこだわり、一人の所見の中に同じ単語は2回出ません。やりすぎかもしれませんが、それだけ徹底しています。
※取り組み、立派、姿、~たり~たり。また、などは重複しやすいので特に気をつけます。
4年生前期(1学期)の所見

4年生くらいになると、単に友達と仲良く過ごすことができるとか、授業中の姿勢が良いとかだけでは物足りなくなります。親の立場で考えると、勉強や当番などやることをしっかりやっているかどうかということや、忘れ物が無いかどうかということ、そして、友達とどんなふうに関わっているのかなどが知りたいことではないでしょうか。進んで話し合いを進めたり、学習内容をまとめたりする力も高学年に入りつつあるこの時期に見られるようになってきます。こういう少し高度な内容にも触れられると、「もうこんなことができるようになっているんだ。」と、親としても成長を実感できることと思います。
書き出し例
学び方・学習面など
生活面・係や当番など
まとめ
4年生後期(2・3学期)の所見
後期は日々の学習に加え、学習発表会や卒業式に向けての取組があります。また、4年生後期となれば、自分たちで集会を企画して実行するような場面もあるかもしれません。「自主的に頑張ったよ」「陰でどんな努力をしていたよ」というようなことが書けると、子どもも頑張りがいがありますし、保護者も「先生はそんなところまで見て認めてくれるんだな」と嬉しくなると思います。
書き出し例
学び方・学習面など
生活面・係や当番など
まとめ
通知表を書く時の便利ツール、参考資料
通知表がパソコンで印字されるのであればなおのことですが、「文字数」を意識することが必要になってきます。いちいち考えていられませんので、簡単な数式で文字数をカウントする方法を紹介します。

高学年で使える参考資料。道徳と外国語の所見文例です。


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