
5年生になると家庭科や外国語活動の評価も加わります。活動が多岐に渡るので所見に書くことのできるような活躍も目立つ一方、基礎的なことがしっかりできているからといってそればかり書いてしまっては低学年ぽくなってしまいます。高学年らしく生き生きと活躍している姿をぜひ見つけて子どもた保護者に伝えたいものです。
さて、通知表の所見。200文字くらい文章量で子供の成長をより分かりやすく伝えるとなればやはり悩むものです。そこで、ここには所見を書く際の材料になるものを文例集としてまとめました。子どもの良さや学習の様子はそれぞれ違います。ここの文例をきっかけのひとつとして、より子どもに合った所見を書く際の参考にしていただければ幸いです。
『所見』の書き方基礎・基本
通知表の中でも、子どもの様子を文章で伝えるものが『所見』です。学校生活全般について書く「総合所見」「一般所見」の他、「総合的な学習の時間」「外国語活動」そして、現在は「道徳」についても所見を作成することになりました。では、どのように書くとよいのでしょうか。初任者にとっては悩みどころのひとつになると思いますので、基礎基本まとめました。
① 文字数の目安
そもそも書くことができる文字数によって作戦が変わってきます。ここの文例は190字~230字程度の所見を想定しています。
② 語尾や文末の表現
「ですます」なのか「である」なのか。「進級おめでとうございます。」などを書くのか書かないのか。後から直すのは面倒なので事前に確認しておきましょう。
③ 半角・全角の扱い
特に数字です。1桁は全角がしっくりくることもあります。でも、基本的には半角にすることが多いようです。
④ その他の基本的な表記
基本的な表記については、各自治体によってルールが定められている場合があります。特に漢字で表記するものなのか、ひらがなで表記するものなのかも決まっている場合があります。
あとは、各学校の文化(書きぶりの傾向)がありますのでそこを確かめておく必要があります。押さえておくべき基本を知らずに下書きを進めると、余計な調整が必要になります。また、残念ながらチェックされる方の好みもあります。好みなので、数人書いてみて先にチェックを受けておくといいと思います。
よさや、成長したところを中心に書く

記録として子どもの手元に残るものになりますし、気持ちよく学期末を終えて次への励みにしてほしいものですので、「良いところ」「成長したところ」を中心に書いてあげます。「もっとこうしてほしいのに!」「~ができていないから困る!」と、子どもの課題をどうしても、どうしても書きたい場合は「~なれるともっと良くなるので、~のように関わっていきます」などと、前向きに表現するといいと思います。

ほんと、あの子はもう少し家で見てもらわないと。これくらい書いてやってもバチはあたらないでしょ。あれもできてない!これもできていない!トラブルばーっかり!これで親にもわかってもらえるかしら。ひっひっひ。

「できませんでした。」「残念でした。」「困ります。」「なってしまいます。」などは使わない方が良いと思います。課題はあえて書かなくても保護者は分かっていて、むしろそれで悩んでいることも多いです。逆に、保護者が気付いていないような話であれば、通知表よりもっと早い段階で伝えて協力し合えるようにしたいものです。通知表で書かなくてもよいことは書かない。今の時代の「事なかれ主義」とも言われそうですが、思いが伝わらないと意味が無いですよね。
行事のことを書くなら「過程」を書く
運動会ではリレーの選手になりました。学習発表会では○○役となって…と書く人はいないと思いますが、それは保護者も見ていてわかっていることです。休み時間を使って練習したとか、友だちに励ましの声をかけていたとか、取り組む姿勢やその中での成長について書くとより良さが伝わると思います。
一文が長くなり過ぎないように書く
通知表の所見欄の大きさにも関わってきますが、「書き出し」+「生活面」&「学習面」+「まとめ」と、4文くらいになると思います。具体例も入れると効果的ですが、文が長くなり過ぎないように気をつけます。特に、同じ語句を2回も3回も使ったりしていないか気を付けるようにしています。私は徹底的にこだわり、一人の所見の中に同じ単語は2回出ません。やりすぎかもしれませんが、それだけ徹底しています。
※取り組み、立派、姿、~たり~たり。また、などは重複しやすいので特に気をつけます。
5年生前期(1学期)の所見

2度目のクラス替えや担任交代を経験することが多い5年生です。また、家庭科で調理実習や裁縫・ミシン、委員会活動で全校に関わる活躍、宿泊を伴う行事で企画や進行、卒業式に向けた会場準備や企画で進んで動くなど、「高学年」らしい活動が多い学年でもあります。友達と仲良く過ごしていることはもちろんですが、自分の役割を見つけ、それに向かってどのように動き、どんな活躍をしたのかということにも触れて書くことができるとより良いと思います。家庭科は学習の進度にもよりますが、後期に書いた方がより「成長」について書けるかなとも思います。
書き出し例
学び方・学習面など
生活面・係や当番など
クラブ・委員会
行事
宿泊学習
まとめ
5年生後期(2・3学期)の所見
後期は行事へ向けての取り組み方、前期と比べてより成長が見られることなどを具体的に書くことができます。
書き出し例
学び方・学習面など
生活面・係や当番など
まとめ
通知表を書く時の便利ツール、参考資料
通知表がパソコンで印字されるのであればなおのことですが、「文字数」を意識することが必要になってきます。いちいち考えていられませんので、簡単な数式で文字数をカウントする方法を紹介します。

高学年で使える参考資料。道徳と外国語の所見文例です。


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